和食調味料「さしすせそ」の“さ”であるお砂糖。江戸時代には高級品でとても庶民が食べられるものではありませんでした。しかし、今では手軽に手に入り使い勝手の良い調味料として重宝され、海外でもSugarとして親しまれています。より料理で上手に使用するためにも、今回は、そんな砂糖の特徴や違い、健康知識を和食ライフスタイリスト・管理栄養士がお伝えしていきます。
砂糖の原料
砂糖の原料は大きくてん菜(ビート)と、サトウキビに分類され、てん菜は主に北海道で、サトウキビは主に沖縄でつくられています。日本の北端と南端の県で砂糖の原料がつくられているなんて面白いですね。
砂糖の種類と特徴
砂糖は大きく分けると分蜜糖と含蜜糖の2つです。分蜜糖は蜜の部分を製造過程で取り除きます。一方含蜜糖は、蜜を含んだまま製造されていて、ミネラルが多く含まれているのが特徴です。さらに分蜜糖も含蜜糖も細かく分類されます。以下で種類と特徴をご紹介していきます。
分蜜糖
まずは分蜜糖に分類される6種類の砂糖をご紹介します。
上白糖
一般的に汎用されている白砂糖で、何にでも合って使いやすいのが特徴です。お料理やお菓子作りに使われています。
三温糖
見た目が茶色い理由から含密糖と思われやすいお砂糖です。しかし、三温糖は上白糖やグラニュー糖を加熱して造られるため、成分は上白糖に近いです。お菓子作りやお料理に使われています。
中ざら糖
こちらも見た目が茶色いため含密糖と思われやすいお砂糖です。しかし、茶色い理由は表面にカラメルをつけているだけなのです。お料理に使われています。
グラニュー糖
結晶に仕上げて純度をあげたお砂糖をいいます。ドリンクでの使用が多いです。
角砂糖
グラニュー糖を固めたお砂糖をいいます。こちらもコーヒーや紅茶などドリンクで使いやすい形にしています。
粉砂糖
グラニュー糖の粒子を細かく砕いて作られたお砂糖です。仕上げのお化粧として、お菓子作りに使われます。
含蜜糖
次に、含蜜糖に分類される3種類の砂糖をご紹介します。
黒砂糖
サトウキビが原料で、沖縄でよく使用されているお砂糖です。濃厚な甘さがお料理やお菓子にコクを与えてくれます。
きび砂糖
サトウキビが原料のお砂糖で独特の風味を楽しめます。こちらもお料理やお菓子作りに使えます。
和三盆
高級なイメージのある和三盆。竹糖(ちくとう)が原料で独特の風味があり、和菓子に使われています。日本の伝統的な作り方で主に香川県・徳島県でつくられているのです。
砂糖のエネルギと糖質
砂糖といえばエネルギー(カロリー)や糖質が気になるところ。先ほどご紹介した砂糖の種類別エネルギー(カロリー)を以下に記載します。※以下は、文部科学省が定める日本食品標準成分表の値ですがあくまでも参考値です。
上白糖のエネルギー(カロリー)と糖質の量
・小さじ1杯3gでエネルギー(カロリー)12kcal、糖質3g
・大さじ1杯9gでエネルギー(カロリー)35kcal
他の砂糖のエネルギー(カロリー)と糖質の量
・グラニュー糖:エネルギー(カロリー)20kcal、糖質5g
・角砂糖:エネルギー(カロリー)20kcal、糖質5.0g
・黒砂糖:エネルギー(カロリー)18kcal、糖質4.5g
※砂糖の種類により小さじ1杯、大さじ1杯の量が異なるので全て5gで計算しております。
※出典:日本食品標準成分表2020年版(八程)
茶色い砂糖が身体に良いと言われるのはなぜ?
よく「白い砂糖は身体に悪くて、茶色い砂糖は身体に良い」と聞きますが、その解釈は間違っています。分蜜糖よりも含蜜糖の方がミネラルを多く含む理由から身体に良いといわれているのです。茶色い砂糖が身体に良いというイメージは、黒糖のイメージがついたものと考えられます。
砂糖税とは
初めて耳にされた方も多いのではないでしょうか。近年、欧米諸国で環境対策の一環として課せられた税金とされています。その名の通り、糖分が入っているものに税金が課せられるという施策です。例えばジュースやスポーツドリンクなども課税対象となります。(ここからは私見です)砂糖税が課せられることで甘いものの摂取が減り、1人あたりの糖質摂取量が減ると自ずと生活習慣病が減るのではないかと思います。もしかしたら、日本に導入される日が来るかもしれませんね。
砂糖の種類を理解して、正しく選べるようになろう!
砂糖は大きく上白糖や三温糖などの分蜜糖と黒糖やきび砂糖などの含蜜糖に分類されています。それぞれ特徴やエネルギー(カロリー)の違いがあるので、適した使い方で必要な分だけ使い健康を意識しながら美味しくいただきましょう。
【和食・健康・美容分野】の専門家を目指すなら!
一般社団法人日本和食ライフスタイリスト協会では無資格・未経験からでも【和食・健康・美容分野】の専門家になれる和食ライフスタイリスト養成講座を開催しています。専門分野の知識をつけたい方、講師になりたい方、WEBライターになりたい方、ヘルスコーチになりたい方など詳しくは無料説明会へお越しください。