健康ブームの背景もあり、管理栄養士を活かしてフリーランスとして独立開業・起業する女性も多くなりました。しかし独立開業・起業して成功するのは一握りなのが現実です。一体どのような女性が成功しているのでしょうか。
管理栄養士として独立している一般社団法人日本和食ライフスタイリスト協会代表の合田麻梨恵が管理栄養士の独立開業・起業の実際や年収、成功者の特徴、仕事内容、よくある質問Q&Aなどをお伝えしていきます。
管理栄養士の独立開業・起業の実際
今でこそ管理栄養士の資格をもちフリーランスとして独立開業・起業される女性は増えました。しかし日本においては、一般的に「管理栄養士」と「栄養士」の違いや何の仕事をしているのかも知られていないのが現状です。残念ながら諸外国と比較すると、圧倒的に市場価値も低いです。まずは日本における管理栄養士のニーズの現状と未来、諸外国との年収の違いをみていきましょう。
管理栄養士のニーズ|日本における現状と今後の展望
以前と比較すると、管理栄養士の求人数も増えてきました。食事を提供する企業や飲食店も増えたことにより「管理栄養士の知識を拝借したい」という要望も増えましたが、諸外国と比較するとまだまだニーズは少ないのが現状です。ニーズが少ないと給料や収入は上がりませんので、安月給といわれてしまうのでしょう。
しかし今後の管理栄養士が専門性を発揮できるニーズは高まってくると予想されます。なぜなら管理栄養士の専門性が発揮されるであろう未病の身体づくりを行う考え方である「予防医学」という言葉も少しずつ浸透しており、予防医学を基盤とした経済産業省が提唱する健康経営(R)事業も8年目です。
また日本だけではなく世界においてヘルスケア市場の売上予測は右肩あがりです。病院以外での活躍の場は今後増えてくると予想できます。
管理栄養士の平均年収の違い|日本と諸外国
単純に市場価値が高いとお給料も高くなります。実際に管理栄養士の平均年収を日本と諸外国とで比較してみましょう。平均年収ではありますが、イギリスと比較すると日本は1/2のお給料です。それだけ世界基準と比較すると日本基準では管理栄養士の市場価値が低迷しています。
日本:平均年収300万円
イギリス:平均年収667万円
アメリカ:平均年収568万円
管理栄養士の給料を諸外国と比較すると日本は約1/2のお給料です。それだけ世界基準と比較すると日本基準では管理栄養士の市場価値が低迷しています。それは日本において予防医学が医療として見なされていないことも相まっていますが、病院以外で管理栄養士にしかできないことがないと思われているためです。
食と健康の専門家である管理栄養士のはずですが、提供する健康情報や栄養知識は科学的根拠のあるものなのかと問われると、正直疑問が残ります。なぜなら管理栄養士の養成課程で学ばないためです。
ネットや書籍から拾える情報をそのまま伝えることは誰にでもできます。管理栄養士の価値を向上させるためにも、管理栄養士が医学と呼べる専門家レベルの知識やスキルを提供できるようになれば市場価値も上がり、収入も上がるでしょう。
現時点で言えることは、日本において管理栄養士として収入アップを期待するのであれば独立開業・起業を目指すしかありません。
管理栄養士独立開業・起業している女性の特徴3選
実際に管理栄養士として独立開業・起業されている女性には特徴があります。以下で3つご紹介していきます。
その1:強み(個性)がある
「管理栄養士」という国家資格所持者はたくさん存在し、それぞれが自分の得意分野をもっています。その分野は腸やファスティング、ボディメイク、血圧、歯科など多岐に渡ります。だからこそ、専門分野を磨いてその専門のトップになると仕事が来るのです。専門性はもちろん、幅広い知見も不可欠です。
その2:go my way!の生き方
独立開業・起業を成功させている女性のほとんどが、自分の決めた信念を貫いています。その1でお伝えした専門分野を決めたらその専門に必要な知識を勉強したり技術を磨いたりと、自分が決めた道を信じて進み、世の中に価値提供をすることで収入に還元しているのです。
その3:軸がぶれない
その2と被るところがありますが、独立開業・起業成功者には「決めたら猪突猛進に突き進む」タイプが多いです。もちろん何年もトライして難しい場合は方向転換したり、次のステージに進んだりして時には軸を変えることもあります。ですが何年か行っての結果なので、数ヶ月でコロコロ専門が変わる女性は信頼をなくしてしまいます。
管理栄養士で独立開業・起業している女性のお仕事ベスト5
では独立開業・起業している女性はどんな仕事内容があるのでしょうか?厳選して5つお伝えしていきます。
webライター
健康食品やサプリメント、健康グッズなどをネット販売をする企業が増えたことに伴い、管理栄養士webライターの需要は高まっています。その点、科学的根拠のある健康情報と法律知識が不可欠です。wi-fiとPCさえあれば、いつでもどこでも仕事ができるので育児中はもちろん、ノマドワーカーにもなれる仕事です。
セミナー講演
企業や自治体からのご依頼、自分主宰のパターンがあります。健康や栄養について子どもから成人、高齢者までのステージ別やテーマによって講演内容は異なる形です。一般社団法人日本和食ライフスタイリスト協会では企業や自治体内で行われるセミナー講座や料理講座などのお仕事を認定講師に不定期にご依頼しています。
栄養指導
企業で行う場合のほとんどが特定保健指導です。自分で行う場合は、自分の得意分野の栄養指導やカウンセリングを行っている女性もいらっしゃいます。一般社団法人日本和食ライフスタイリスト協会が主宰する独立講座では未病の身体をつくる「栄養コーチング」を伝授しています。
そのなかでお伝えする知識は世界でも通用する最新の科学的根拠のある情報で、個人はもちろん企業や自治体とのお仕事も可能です。歯科クリニックや美容クリニックでの管理栄養士による栄養コーチングや個人向けに行う栄養コーチングで活躍できます。
料理教室
自営業として主宰する場合や企業・自治体からのご依頼の場合があります。前者は自分で好きなようにカスタマイズできますが、後者の場合は使用する食品が決まっている、ルールがあるなど制限があります。また子育てをしている女性にとっては働く場所も重要ですが、自宅で料理教室を開いたりオンライン料理教室を開いたりすればその問題も解決可能です。
管理栄養士監修の料理教室であれば、受講生様も安心できるでしょう。
一般社団法人日本和食ライフスタイリスト協会では、料理教室の独立開業で会社員のお給料超えをするノウハウ提供や、認定講師になられた方には主宰講座の開催や企業・自治体からのご依頼を不定期でお願いしています。
商品・レシピ開発
企業や自治体からのご依頼がほとんどです。後は自分の料理教室やSNS発信のためのレシピ開発です。前者は報酬があります。一方、後者の料理教室であればレッスン料としていただく形になるため、報酬はない代わりに認知度アップにつながります。監修者として顔写真や名前を出すことにもなるでしょう。
管理栄養士で独立開業・起業して稼ぐための3つのポイント
次に、私の経験の中で独立開業・起業して必要だと感じたことを3つお伝えします。この内容は管理栄養士に関わらず、フリーランスとして独立開業・起業する人に共通します。皆さん自身はどうなのか考えながら読み進めてみてください。
その1:自分だけの強みを見つける
既にフリーランス管理栄養士は溢れかえっています。その中でお客様や企業に選んでいただくためには他人がもっておらず、自分だけが強みや得意とするものを武器にしましょう。
その2:自分を信じて進み続ける
独立をすると誰も何も教えてくれませんし、方向を示してくれません。自分を信じて進み続けるしかないのです。何が正解なのか、何が成功するのかも、やってみないとわかりません。なので、自分を信じて進み続けましょう。
その3:信念を貫き通す
その2と似ているところがありますが「何のために独立するのか」「誰のお役に立つのか」を明確にして独立開業・起業初期に決めた信念を貫き通しましょう。その信念が揺らがない限り、自分を信じて進み続けることができて応援してくれる方が増えます。
お悩み相談
最後に、実際にあったご相談事を2つ紹介させていただきます。独立開業・起業し始めは思うことなので、ぜひ参考にしてください。
「やりたいことがあるけど、自信がないです。」
誰しも成功するかはわかりません。初めてチャレンジすることは不安があって当然です。ですがなぜチャレンジする女性としない女性がいるのでしょう?それは失敗しても良い覚悟があるかどうかの違いです。この第一歩が本当に大きな分かれ目となります。まずは小規模でトライして、徐々に自信をつけていきましょう。
「資金も人脈もないのですが、できますか?」
初めから人脈はなくても問題ありません。資金も大金は必要ないですが、もしコンサルティングを受けるのであればコンサルティング料が発生しますし、パソコンや携帯、wi-fiがなければ揃えるための資金は必要です。とは言え普通の独立開業・起業と比較すると低予算で始められます。また独立開業資金支援制度や助成金を行っている自治体や団体などもあるので、うまく活用しましょう。
独立をすれば様々な方と出会う機会が増えるので、人脈は徐々に増やして行く形で十分です。
管理栄養士の独立開業・起業を成功させる!
管理栄養士の資格を活かすためには、まず専門分野を決めてその専門の中でもトップを目指しましょう。「○○と言えば、あなた」となれば仕事が舞い込みます。同時に専門性を磨くには幅広い知見も必要です。まずはそこまで愚直に今できることをやりきり、徐々に知名度を上げていくのです。知名度とスキルがあわさった場合には会社設立も夢ではありません。
管理栄養士として独立開業・起業するには
一般社団法人日本和食ライフスタイリスト協会では、管理栄養士を強みに予防医学専門家として独立開業・起業できる和食ライフスタイリスト養成講座を開催しています。まずは独立開業・起業に必要な考え方や知識を下記無料メルマガに登録して、7日間の無料プレ講座で学びましょう。
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記事執筆・監修者
一般社団法人日本和食ライフスタイリスト協会 代表理事
管理栄養士・和食ライフスタイリスト 合田 麻梨恵
初めての海外訪問時に日本との素材の違いに驚愕し、”和食の魅力”に目覚める。管理栄養士として不特定多数が購入するコンビニ弁当に携わり健康な方を増やしたいと考え、商品開発者に。しかし実際は仕事として毎日3食コンビニ食で激太り&心身ともに不調をきたし限界を感じたため、異なる方法で和食で健康になれる魅力を伝えようと決意し、独立。
和食料理教室を通じて100名様以上の不調改善に成功した「食」の面、全国の自然発酵生産者100軒以上の訪問による「農業・醸造」の面、論文2万件読破した「予防医学」の面から和食の研究を重ね、未病の身体づくりができる”令和の和食TM”を提唱。健康経営を通して働く人の健康サポートやメディア出演、監修など。