コロナ禍による健康ブームの追い風や農林水産省の事業推進といった恩恵を受けたオーガニック食品。2020年度の矢野経済研究所によると市場規模拡大は年々右肩上がりで予想されています。※1
聞いたことはあるし使っているけど、本当の意味を理解していない方も少なくありません。この記事では、オーガニック食品の本当の意味や目的、有機・無農薬との違い、安全性、健康・美容面でのメリット、スーパーの選び方まで詳しくご紹介します。オーガニック食品を有効的に活用して、日々の健康生活にお役立てください。
オーガニックとは
そもそもオーガニックとはどういう意味でしょうか。オーガニックには食品だけでなく、化粧品や衣料品などに対しても共通します。有機JASの分類としては、有機農産物、有機加工食品、有機畜産物、有機飼料、有機藻類の5項目です。※2
オーガニック食品とは何かを解説する前に、そもそものオーガニックの目的やよく似ていて間違った解釈をされる場合が多い”有機””無農薬”との違いを解説します。
目的
我が国の農林水産省が提示するみどりの食料システム戦略におけるオーガニックの目的は、化学農薬や化学肥料の減少で環境の不可を軽減し今後も暮らし続けられる地球環境づくりや、日本型食生活の推進で国民の豊かな食生活や地域の雇用増大や所得増大につなげ、産業基盤を構築することです。※3
また我が国においてオーガニックとは、有機農業でつくられた商品にコーデックスガイドラインを準拠しJAS法で定められた有機JAS規格をクリアしたものにのみ表示が許されている(表示ルール)言葉です。そのため、1999年以降市場流通において有機JAS規格がない商品はオーガニックなどと名乗れなくなりました。※4,5
有機と無農薬の違い
オーガニック、有機、無農薬という言葉は、混同しやすく理解されていない方も少なくありません。
まずオーガニックと有機は同じ意味です。規定されている農薬や化学肥料などの使用を避けた自然の力を活かす農業を指します。「規定されている」というのがポイントで、完全に農薬や化学肥料を使っていないわけではありません。※6
一方、無農薬はその名の通り、農薬を使わない意味を指しますが、”無農薬”の記載はJAS法違反となります。理由としては、自身で農薬を使用していなかったとしても残留農薬などの考慮がされておらず、消費者に誤認を与えるためです。※7
オーガニック食品とは
前述を踏まえてオーガニック食品とは、有機JAS法の認証を得た食品です。オーガニック食品は、農法だけでなく貯蔵、梱包、輸送などにおいても環境に配慮した方法が採用されています。※6
オーガニック食品の安全性
オーガニック食品はその生産過程で化学肥料や農薬の使用が制限されているため、一般的な食品よりも消費者が口にする食品から化学物質を減らせるメリットがあります。ただし注意が必要なのは、オーガニック食品だから安心というわけではない事実も業界の中では存在する点と、長期保存できないデメリットの点です。
また日本のオーガニック普及は世界から見ると後進国であり、オーガニック認証の基準は日本よりも世界の方が厳しい現状があります。何が安全なのかはそれぞれの基準によって異なるため、私たち消費者の正しい理解と選択が必要になるでしょう。
オーガニック食品の健康・美容面
オーガニック食品は、その健康と美容への多大なメリットで注目を集めています。ここでは、それらの主要なメリットについて詳しく見ていきましょう。
健康面のメリット
オーガニック食品は、通常の食品に比べて化学物質の制限がされているため食材への残留が少ないとされています。化学物質の過剰摂取による人体への影響がある方もゼロではありません。オーガニック食品の選択は人体への影響を及ぼす過剰摂取を減らせる可能性が考えられます。
美容面のメリット
美容面でも、オーガニック食品の評判は大きいです。実際に化学物質を意識して減らすと肌荒れが治った方や、便秘が治りぽっこりお腹が解消した方もいらっしゃります。これらの影響は個人差がありすべての方に当てはまりませんので注意してください。
スーパーの選び方
オーガニック食品はどこで買えるのでしょうか。ほとんどの場合、大手スーパーのオーガニックコーナーで手に入ります。一昔前は自然食品店や高級スーパーに行かないと手に入りませんでしたが、流行に伴い手に入れやすくなったのです。
またオーガニック食品といっても美味しいかどうかは別物です。美味しくて安全なオーガニック食品が置いているスーパーの店舗を選ぶポイントとして、以下があります。
- オーガニック食品の相場から安すぎたり高すぎたりしないか
- 生産者がわかるか
- 生産者のこだわりは何か
オーガニック食品を取り扱っているスーパーでは複数もの生産者と契約をしているところが多いので、スーパーの店舗で選ぶよりも生産者や商品で選ぶのがおすすめです。またオーガニック食品はほとんどが手作りのため大量生産よりも流通量は少なめです。人気な食品はすぐに売り切れてしまいます。
オーガニック食品で健康に美しくなろう!
オーガニック食品は、健康と環境に優しい選択肢として注目を集めています。栽培から製造、販売に至るまでの過程で化学物質の使用を極力控え、自然と共存する持続可能な方法が採用されています。
オーガニック食品の安全性は、化学肥料や農薬の使用制限からくる化学物質の減少と、日本においてはJAS法による認証基準で確かめられます。一方、世界のオーガニック認証基準の方が日本よりも厳しいため、こだわりのある方はそちらを参考にする方が良いでしょう。
健康面や美容面でも嬉しい貢献をしてくれます。興味のある方は最近の大手スーパーであればオーガニックコーナーが設けられているので、いつもの買い物のついでに探してみてはいかがでしょうか。
美味しく、安全性のあるオーガニック食品を選んで、より良い健康・美容生活を楽しみましょう!
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【参考】
※1 日本経済新聞|矢野経済研究所、オーガニック加工食品市場の調査結果を発表|https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP603923_X20C21A1000000/
※2 農林水産省|有機食品の検査認証制度|https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html#kikaku
※3 農林水産省|みどりの食料システム戦略とオーガニック市場の拡大について|https://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/attach/pdf/0630_benkyoukaiseries_01-2.pdf
※4 農林水産省消費・安全局|有機食品の検査認証制度について|https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/yuuki_seido_a.pdf
※5 農林水産省|特集1 学ぼう!有機食品(1)|https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1311/spe1_01.html
※6 農林水産省|有機農産物の日本農林規格|https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/attach/pdf/yuuki-266.pdf
※7 農林水産省消費・安全局表示・規格課|特別栽培農産物に係る表示ガイドラインQ&A|https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/pdf/tokusai_qa.pdf