東洋医学や西洋医学、漢方、薬膳、科学的根拠…少し健康について調べてみると、さまざまな言葉が出てきます。意味はそれぞれで異なりますが、今更聞けない方も少なくありません。そこで今回は、東洋医学とは簡単に何なのか、東洋医学と西洋医学との違い、それぞれのメリット・デメリットなどを解説します。
東洋医学とは簡単に
東洋医学とは簡単に解説すると、中国の伝統医学が発展した医学で、主にアジア圏で拡まってきた概念です。病気や不調になる前に身体を養生させていく根本療法になります。鍼灸、漢方、薬膳などが東洋医学の一環で、芸能人やセレブの間で流行ったような水素水や酵素なども東洋医学よりの考え方です。
科学的根拠で解説できないため胡散臭い・嘘などと思われる方も少なくありませんが、先人たちの経験を元にした根拠から成り立っているといわれています。
メリット
東洋医学のメリットは、病気と診療される前の状態である不調が改善できる点と、病気にならないように身体を養生できる点です。病気になる前に起こる不調は、身体のバランスが崩れて起きていると捉えて日々の生活習慣である睡眠、運動、食事などで身体を養生してバランスを整えます。それでも変わらないようであれば、漢方や鍼灸をやってみて少しずつ変化を期待します。
病気にならない身体とは、病気になる前の不調状態・健康状態で予防する身体づくりをいいます。西洋医学における未病という意味と同様ですが、もともとは東洋医学よりの概念です。不調の状態も含まれますが、不調がなくストレスフリーに健康体でいられる身体づくりといった意味合いが強いと筆者は考えています。
デメリット
東洋医学のデメリットとして緊急性(病気)になったときの対策がない点と、変化するまでに時間がかかる点があります。身体が病気になったら西洋医学の治療や薬剤といった対処療法が有効ですが、最終的には個人の選択の自由です。
また、ほとんどの方が実感していることですが、生活習慣を変えてすぐに痩せたり、不調改善したりできるのかというと難しいでしょう。食事に関してだと、短くても2ヶ月〜3ヶ月は続ける必要があります。
1週間や2週間で結果を出そうとすると、身体に無理した対策を行っている場合が多いです。無理をしてしまうと、たとえ短期間で不調が改善したとしても、半年後や1年後には元の状態に戻っているでしょう。
西洋医学とは簡単に
東洋医学に対して西洋医学とは、科学的根拠を元に治療を行う医学で、先進国で施行されています。現代の日本は西洋医学を選択しているため、病院の制度が西洋医学の概念に沿ってつくられています。西洋医学の特徴は、直接病原にアプローチする対処療法です。治療のために病名を定め、その病名にあった薬剤や治療を施し、直接原因を取り除いていきます。
メリット
最先端の医療技術や科学的根拠のある治療法に沿って治療を行うことにより、人の命を救える点が大きいです。日本だけではなく先進国をはじめ世界各国で平均寿命が伸び続けているのも、最先端の医療技術や科学的根拠のある治療法のおかげといっても過言ではありません。
また日本は保険制度が充実しているため、個人が負担する費用を抑えて治療を受けられます。全額医療費をみると驚きますが、高額な医療費を1割負担、3割負担などで受けられるのはありがたいでしょう。
デメリット
西洋医学のデメリットは、根本治療ができない点と副作用が生じる可能性がある点です。病院で行う診断では、すでに病気が現れている場合に病名がつき、その病名にあった科学的根拠のある治療で症状を軽減・削減します。症状がなくなったとしても、予防をする根本治療に当たりません。なので、また症状が出たり、異なる病気に罹患したりする可能性はあり得ます。
また病気の原因物を取り除いたり、遅らせたりするために使用される薬剤や治療は身体に大きな負担を与えます。副作用が出る場合が少なくありません。複数の薬剤使用が必要な場合もありますが、薬剤依存になってしまうと治るものも治りにくくなってしまうなどのデメリットがあります。
東洋医学と西洋医学の違い
前述内容を下記にまとめました。どちらが良い悪いではなく、自分の身体にあっているかどうか、現時点の身体の状態にあっているかどうかなどを考えて、選択するのが良いでしょう。健康になるという目的は同じです。
治療法 | 選択国 | 特徴 | 結果までの長さ | |
東洋医学 | 根本療法 | 主にアジア圏 | 漢方・薬膳・鍼灸 | 長期間 |
西洋医学 | 対処療法 | 主に先進国 | 最先端の医療技術 | 短期間 |
東洋医学と西洋医学の融合が健康への道!
東洋医学、西洋医学はどちらもメリット、デメリットがあります。そのため両方取り入れることが、本当の健康につながるのです。
クリニックや病院で、漢方処方や食事療法を提案されたことはありませんか?実際に、両医学を選択されている臨床現場も存在します。西洋医学にも未病(病気にならない身体づくり)という考え方が拡まっているので、今後はより増えていくことでしょう。
不調改善ができる知識とは
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記事執筆・監修者
一般社団法人日本和食ライフスタイリスト協会 代表理事
管理栄養士・和食ライフスタイリスト
合田 麻梨恵
初めての海外訪問時に日本との素材の違いに驚愕し、”和食の魅力”に目覚める。管理栄養士として不特定多数が購入するコンビニ弁当に携わり健康な方を増やしたいと考え、商品開発者に。しかし実際は仕事として毎日3食コンビニ食で激太り&心身ともに不調をきたし限界を感じたため、異なる方法で和食で健康になれる魅力を伝えようと決意し、独立。
和食料理教室を通じて100名様以上の不調改善に成功した「食」の面、全国の自然発酵生産者100軒以上の訪問による「農業・醸造」の面、論文2万件読破した「予防医学」の面から和食の研究を重ね、未病の身体づくりができる”令和の和食TM”を提唱。健康経営を通して働く人の健康サポートやメディア出演、監修など。