予防医学における理学療法士の役割とは

予防医学における理学療法士の役割

政府の保険医療2035ビジョンに伴い予防医学の普及が加速している日本。国民一人一人の意識改革はもちろんのこと、医療従事者の方々の意識改革も求められています。そこで今回は、医療従事者の中でも「理学療法士」が予防医学においてどんな活躍が期待されているのか解説していきます。

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予防医学における理学療法士の役割とは

もともと理学療法とは「医師の指示のもとに身体障害のある方に対して対処を施す」のが基本でした。しかし、予防医学では身体障害になる前のケアが重要です。そんな背景があり政府は平成15年に下記のように述べています。

 

理学療法士が、介護予防事業等において、身体に障害のない者に対して、転倒防止の指導等の診療の補助に該当しない範囲の業務を行うことがあるが、このように理学療法以外の業務を行うときであっても、「理学療法士」という名称を使用することは何ら問題ないこと。

理学療法士の名称の使用等について(通知)より抜粋

また予防医学の活動の一つに、地域コミュニケーションの単位で予防医学を進めていくという地域包括ケアの考え方があります。地域全体で協力し合い、予防を推進していく考え方です。

 

このような背景を踏まえると予防医学における理学療法士の役割とは、地域全体で協力し合い健康な方に対して運動や食事、睡眠、ケガなどの予防を推進すると考えて良いでしょう。予防の分野になると専門分野以外にも幅広く深い知識や技術を習得し、対象者のライフステージに合わせる能力が必要になります。そして理学療法士としてヒトの身体全体を考えたケアができる人材がこれからの予防医学の中で活躍できることでしょう。

 

予防医学における理学療法士に+αで役立つ知識・スキル

では実際の予防医学社会で必要とされる理学療法士の知識やスキルには何があるのでしょうか。主に3つ解説していきます。

 

役立つ知識・スキル1.ステージ別に必要な栄養の知識

メタボリックシンドロームやロコモティブシンドローム、認知症、ケガ、メンタルヘルスなどの予防全てにおいて「栄養」が関わってきます。簡単・安価を追求してきた合理的な食が当たり前になり便利になった反面、失われてしまった栄養と健康。その結果、生活習慣病の増加を筆頭にアレルギー持ちの方の増加、うつ病の増加なども社会課題になってきました。理学療法の学問に栄養知識を+αできると、より効率的な予防を期待できます。

 

役立つ知識・スキル2.相手を理想に導くコーチングスキル

身体に障害を持っている方を健常に導くといったマイナスからゼロに変化させる場合の目的ははっきりしているので達成しやすいですが、すでに健康体の方を将来の健康体に導くといったゼロからプラスに変化させる場合は「そもそもの目的が抽象的である」「やることが漠然としている」といった理由で難易度が高くなります。

そこで必須になるのがコーチングスキルです。健康に関わるのでヘルスコーチングとも言われていますが、個人個人に寄り添い、相手のモチベーションを維持向上させ、相手の行動変容を促すスキルになります。予防医学が進むアメリカではヘルスコーチという仕事が成立しているくらい、今後の日本においても定着していくと考えられるでしょう。介入者が少ない今、先行して身につけていくチャンスです。

 

役立つ知識・スキル3.信頼関係を築くコミュニケーションスキル

上記におヘルスコーチングスキルでも必要になってくるのがコミュニケーションスキルです。コミュニケーション「スキル」と言うものの、1番大切なのは「相手のことをどれだけ本気で考えられているのか」です。この基本の考え方さえ理解して、常に第一で考えられていれば、小手先のスキルは必要ないと思っています。

ただし、コミュニケーションが苦手な方やより深いコミュニケーションをとっていきたいなどステージアップを考えられている方はスキルを学ぶことで得られることも大きいでしょう。相手とコミュニケーションを密に行い、信頼関係を気付ける方が、予防医学において活躍できる理学療法士になれるのです。

 

理学療法士に付加価値をつけて予防医学領域で活躍する!

理学療法士が予防医学の中で活躍しようと思うと、従来の理学療法士の幅を超えた知識やスキルが不可欠です。理学療法士にどんな付加価値をつけるかによって、あなた自身の存在価値が変わります。まだまだ介入している理学療法士の方が少ないからこそ、今が活躍できるチャンスでもあります。この機会に、次のステップ、新たなステップとして、あなた自身では何ができるのか考えてみましょう。

 

理学療法士の枠を超えた予防医学専門家になるなら「和食ライフスタイリスト」

一般社団法人日本和食ライフスタイリスト協会では予防医学の中で活躍できる理学療法士になるために、食と健康に関わる必要な知識や技術を提供しています。独立開業・起業できるレベルなので、専門家独立開業を目指す方にも役立ちます。「理学療法士としてステップアップしていきたい!」「理学療法士として自分にしかできない付加価値を提供していきたい!」などの想いをともに実現させていきませんか?まずは必要な考え方や知識を下記無料メルマガに登録して、7日間の無料プレ講座で学びましょう。

 

 

【参考】
・厚生労働省|理学療法士の名称の使用等について(通知)
・厚生労働省|職業情報提供サイト
・厚生労働省|理学療法士及び作業療法士法
・厚生労働省|利用者のためのチーム医療

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