予防医学とは|予防医学が拡まる背景や関連する資格

和食ライフで予防医学を!

健康ブーム真っ最中の昨今、日本において「予防医学」という考え方が普及しつつあります。予防医学の考え方や今後の動向が気になる方もいらっしゃるでしょう。そこで今回は”予防医学”の考え方や仕事にする場合の将来性などを解説していきます。食や健康系の資格をお持ちの方はもちろん、食や健康に興味があるといった方に役立つ内容です。

 

 

目次

予防医学とは

厚生労働省|介護予防のための生活機能評価に関するマニュアル」改訂版より抜粋

予防医学は、病気を治療する治療医学ではなくて病気になる前の身体づくりや社会復帰支援などを行う医学と言われています。一次予防、二次予防、三次予防といった概念は従来の予防医学の一環ではありますが、考え方は変わりつつあり近年では0次予防や四次予防、五次予防などもあります。まだ明確に確立されていない部分もあるため、以下では従来の予防医学の間変え方を解説します。

 

1.一次予防

健康運動をする、食事を変える、睡眠の質を高める、ストレス解消といった健康増進により疾病予防をする行動や指導を言います。定期検診や教育、ヘルスコーチングなどが該当します。

 

2.二次予防

二次予防とは顕在化していないものの潜在的に発症している病気を早期発見、早期治療することです。健康診断や血液検査、人間ドックの取り組みが該当します。血液検査は嘘をつかないので読み取れるようになると相手の方に一歩踏み込んだ提案ができるでしょう。

 

3.三次予防

三次予防は病気発症後の回復や機能改善、病気の進行抑制、社会復帰をする段階をいい、リハビリテーションや保健指導などが該当します。一度病気になった身体を100%戻すのは難しいですが限りなく近い状態に戻すためにも三次予防は十分に行いましょう。

 

 

予防医学と予防医療の違い

予防医学とよく似た言葉に予防医療があります。医学は科学で学問を指し、医療は科学でも学問でもありません。医療は医師個人の経験に頼って行われるものです。そのため一般的に話をする際は”予防医学”を使用するのが良いでしょう。ちなみにエビデンス(EBN)とは科学的根拠のある医学を指し、医療を医学に近づけた考え方です。

 

 

予防医学が重要視される背景

ではなぜ予防医学が重要視されているのでしょうか。その背景を以下で3つご紹介します。

 

1.日本の政策・疾病動向と世界の動向

主な日本の政策と疾病動向、世界の動向を下記の表にまとめました。この表より日本の政策は日本の疾病状況や世界の政策に影響を受けていることが漠然と読み取れます。世界でも肥満撲滅運動やヘルスを重視する政策が現在行われています。このことから、日本でも予防医学を重視する風潮は高まるでしょう。

 年日本の政策日本の疾病動向世界の動向
1868政府が西洋医学採用の方針を発表  
1943 結核ピーク 
1946予防接種法制定(1948年) WHO憲章 健康を定義
1951 結核に変わり成人病上位 
1972労働安全衛生法制定  
1978第1次国民健康づくり対策 アルマ・アタ宣言 プライマリ・ヘルスケアを定義
1979  ヘルシーピープル アメリカ厚生省による健康対策
1986  オタワ憲章 ヘルスプロモーションを定義
1988第2次国民健康づくり対策  
1996 成人病から 生活習慣病に 
2000第3次国民健康づくり対策 (健康日本21)  
2001厚生労働省発足  
2012和食がユネスコ無形文化遺産登録  
2013第4次国民健康づくり対策  

 

2.平均寿命と健康寿命の乖離



厚生労働省|e-ヘルスネット|平均寿命と健康寿命

平均寿命とは「0歳時点での余命の平均」で健康寿命とは「毎日の生活が支障なく行える健康な状態の期間」を言います。2016年において平均寿命と健康寿命の差は男性で8.84年、女性で12.35年です。世界でもトップを走る超高齢社会の日本においてこの差を縮めるために「健康日本21(第二次)」「スマート・ライフ・プロジェクト」「健康寿命延伸プラン」などの政策が施されています。健康活動を推進すると病気になりにくくなるため、その活動自体が予防医学だと考えられます。そういった意味で予防医学はまだまだ拡がるでしょう。

 

3.医療費増大の過去と今後

まず「本当に医療費が増大しているのか」というのをみていきましょう。下記の表は昭和60年から平成11年までの国民医療費の推移を示しています。国民医療費の国民所得に対する割合を見てみると、平成3年度5.9%から右肩上がりで8年後の平成11年度には8.1%と2.2%も増加しています。よって「医療費は本当に増大している」と言って良いでしょう。

厚生労働省|高齢者医療制度等改革推進本部事務局より抜粋

 

次に、平成12年度から平成37年度の推計をみてみましょう。

厚生労働省|高齢者医療制度等改革推進本部事務局より抜粋

今後も右肩上がりに増え続けることが予測されています。人口は減り続けるのに、この医療費増加分は誰が負担するのでしょうか。そういったことからも、財政圧迫を考えた医療費削減の政策として予防医学を推進していることが考えられます。

 

 

予防医学における日本の今後の動向

上記で挙げたような背景を解決するために政府は取り組みを発表しています。厚生労働省保険局によると2040年を目指して『誰もがより長く元気に活躍できる社会』を実現するために3つの政策課題を打ち出しています。その3つとは「健康寿命の延伸」「医療・福祉サービス改革」「多様な就労・社会参加」です。予防医学関連資格保持者、予定者の方は政府の今後の動向を見込んで活動するのも一つでしょう。

 

 

予防医学に関係する国家資格

我が国において予防医学に関係する国家資格は何があるのでしょうか。下記に挙げただけでも24種類あります。

<国家資格名>

医師、歯科医師、看護師、保健師、管理栄養士、歯科衛生士、獣医師、臨床検査技師、衛生検査技師、理学療法士、作業療法士、診療放射線技師、視能訓練士、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、言語聴覚士、労働安全コンサルタント、労働衛生コンサルタント、衛生管理者

国家資格保持者の方はすでに専門性のある知識やスキルはお持ちですが、予防医学を推奨していくためには分野を横断した幅広い知見も不可欠です。個人の知識を広げる、各専門分野の方々が協業するなど日本全体がチームとなり推進できると良いですね。

 

 

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【参考文献】
・厚生労働省|介護予防のための生活機能評価に関するマニュアル改訂版|https://www.mhlw.go.jp/topics/2009/05/dl/tp0501-1c_0002.pdf
・厚生労働省|『「統合医療」に係る情報発信等推進事業』eJIM|https://www.ejim.ncgg.go.jp/public/hint2/c03.html
・厚生労働白書 平成26年|https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/14/dl/1-01.pdf
・厚生労働省|厚生労働省保険局|予防・健康作りについて|https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000612862.pdf
・厚生労働省|e-ヘルスネット|平均寿命と健康寿命
・厚生労働省|高齢者医療制度等改革推進本部事務局|医療制度改革の課題と視点|https://www.mhlw.go.jp/houdou/0103/h0306-1/h0306-1d.html

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