和食とは何か?定義は?和食ライフスタイリスト・管理栄養士が簡単に解説

和食のイメージ

私たち日本人の食の中心である和食。和食と一言でいっても、時代により和食の形が異なり、和食と表現されるものには懐石料理や日本料理など様々な意味があります。和食の定義やユネスコ文化遺産に登録された背景、食育との関わりなどを和食ライフスタイリスト・管理栄養士が解説していきます。

目次

和食の定義とは

「和食」という言葉には、明確な定義はありません。では何を指すのでしょうか。以下では和食に当てはまる言葉の意味をそれぞれ解説していきます。

和食とは

「和食」と表現するときにはどんな食事や食べ物をイメージされますか?

和食とは日本料理ともいわれており一汁三菜を基盤とした料理で、洋食や中華と比べて日本風の料理とされています。時代によって内容は異なりますが、現在は明治頃から導入された和洋折衷の料理が和食(家庭料理)として親しまれているとされているのです。

懐石料理とは

懐石料理は和食(日本料理)の一つで、本来は茶道でいただく軽食とされています。基本的な食事の形態は一汁三菜です。しかし、現在の懐石料理として料亭などでいただく場合は、一汁三菜+αの品数で提供されます。

割烹とは

割烹とは懐石料理と同じく日本料理の一つで、元々は肉を割いて烹る(にる)という調理方法をいうとされています。現在でよく使われている意味としては、カウンターごしに話しながら和食をいただくお店を指す場合が多いのです。 

和食がユネスコ無形文化遺産に登録された背景

そんな代々受け継いできた「和食」も、現在危機にあることをご存知でしょうか?

その背景としては「食の欧米化」があり、年々ご家庭で和食を食べる家庭が減っているとされています。それを危惧した国が国全体で和食を守る動きを行っており、その中の一つの施策としてユネスコ無形文化遺産の登録があるのです。

「和食」は平成25年(2013年)にユネスコ無形文化遺産登録されました。登録された「和食」は食事や料理だけを表現するものではなく、「日本人の伝統的な食文化」という、食文化の意味で認定されています。具体的には以下の4つの特徴が世界的に評価されました。簡単に解説します。

その1:多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重

日本の国土総面積約37.8万k㎡の約70%が山岳地帯であることからも、日本は自然に囲まれた国であることがわかります。その自然からとれる食材と、食材の味そのものを活かした調理法が和食の魅力として認定されました。

その2:健康的な食生活を支える栄養バランス

健康寿命が世界第一位になったこともある和食。一汁三菜という献立のPFC比が他の国と比較するとバランスが良く健康寿命を延ばした背景にあると考えられており、そこが魅力として認定されました。

その3:自然の美しさや季節の移ろいの表現

食卓に季節の花や葉を添えて演出するきめ細やかさが和食の魅力として評価されました。四季のある国々の特徴を存分に活かした表現方法です。

その4:正月などの年中行事との親密な関わり

行事食を重んじながら、家族や地域との交流を深めてきた文化も和食の魅力として認定されました。しかし昨今では、6つの意味を持つ「こしょく」が課題として認識されていたり、核家族化が進み行事食の機会減少が起きていたりしているところから、再認識されたことが伺えます。

食育との関係は?

和食の話をすると付随してくる「食育」という言葉。平成17年(2005年)には食育基本法という法律もできるくらい、関心が高まっている考え方で、農林水産省が指揮をとっています。食育とはその名の通り、食を育むという意味をいいます。簡単にいうと、未来の子どもたちに本物の食を知ってもらうための活動です。

土を触ること、自然栽培の野菜や果実を食べること、作り方を知ること、伝統製法の調味料やだしを知り食べることなど、食に関する0から10を子どもの内から経験させるのが大切になります。子どもの頃から食を意識することで、健康にスクスク育つための基盤づくりを行い、和食文化を次世代に継なげていくのです。

和食は日本にしかない食事

和食とは、諸外国と比べた場合の日本風料理のことを指し、家庭料理や懐石料理、割烹などをいいます。平成25年、世界に和食文化の特徴4つが認められ、次世代に残していくものとして評価(=ユネスコ無形文化遺産に登録)されてからは、世界的に和食の評価が上がっています。

しかし、日本においては食の欧米化が進んでいるのが現状です。子どものときからファーストフードや加工品は欠かせなくなってしまっています。毎日でなくても、週2〜3日、週4〜5日は和食ライフを楽しむご家庭が増えると日本も変わっていくでしょう。

 

和食を深く学びたい方は

一般社団法人日本和食ライフスタイリスト協会では、和食と健康に関する本質的な知識と実践力を培える資格講座を提供しています。資格を活かして仕事にしている方もいます。まずは7日間の無料メルマガ集中講座から学びましょう。

\ただいま!/
予防医学専門家を仕事にできる最短ルート10プレゼント中!

 記事監修・執筆者

一般社団法人日本和食ライフスタイリスト協会 代表理事
管理栄養士・和食ライフスタイリスト 合田 麻梨恵

初めての海外訪問時に日本との素材の違いに驚愕し、”和食の魅力”に目覚める。管理栄養士として不特定多数が購入するコンビニ弁当に携わり健康な方を増やしたいと考え、商品開発者に。しかし実際は仕事として毎日3食コンビニ食で激太り&心身ともに不調をきたし限界を感じたため、異なる方法で和食で健康になれる魅力を伝えようと決意し、独立。

和食料理教室を通じて100名様以上の不調改善に成功した「食」の面、全国の自然発酵生産者100軒以上の訪問による「農業・醸造」の面、論文2万件読破した「予防医学」の面から和食の研究を重ね、未病の身体づくりができる”令和の和食TM”を提唱。予防医学専門家養成や健康経営を通して働く人の健康サポートやメディア出演、監修など。

目次
閉じる